【第5回】映画レビュー!「窮鼠はチーズの夢を見る」感想・解説(ネタバレ注意)|| minの映画だべり部屋

minFiache.編集部

こんにちは。Fiache.編集部のminです。
minの映画だべり第5回は「窮鼠はチーズの夢を見る」についてです。
映画初心者が、好き勝手お話していくので、ゆる~くご覧ください!映画のあらすじ等にも触れていくので、ネタバレ注意です。

全体を通しての感想

画像引用元:「窮鼠はチーズの夢を見る」公式Twitter

私は、成田凌さんの大ファンすぎて映画を見に行ったので原作は知らなかったのですが、正直、内容がめっちゃ良すぎて原作も読んで見たいと思うほど…!
成田凌さんと大倉忠義さんのお二人だからこそ生まれる世界がありました。

「窮鼠はチーズの夢を見る」は漫画原作の実写化で、男性同士の恋愛を描いた映画です。

 

なんですが…

 

男性同士の恋愛の辛さではなく、人としての恋愛の辛さをまっすぐに描いた映画。
大人だから、人間だからこその不器用さや人間のダメな部分が如実に映し出されており、終始胸が抉られるような感覚でした。

今は、同性愛に寛容な時代にはなっていますが、まだまだ法的にも受け入れられずらい現状です。そんな中でも、「男性同士」という目線ではなく、「人と人」としての恋愛を描いている面から、筆者や監督のリベラルの意思を感じることができました。

私自身、成田凌目当てで映画を見に行ったので恋愛面に置いては共感できないと思っていたのですが(筆者は女性)

ばちばちに共感しまくり…。

 

なんでこんなに素直になれないんだろう。
どうしてあと一歩でうまくいかないんだろう。

そう感じました。

自分のことを容易に見透かされているよう。
人間としての弱いところを容赦なく見せつけられました。

エンドロールでは、色々な感情がせめぎ合い
こんなに多くのことを考えてしまうエンドロールは初めてでした。

 

minFiache.編集部

分かっているけど、言えない。できない。
人間としての不器用な部分を抉ってきます。
これ、私は、成田凌目当てで行ったので気持ちの逃げ場があったのですが、普通の恋愛映画の感覚で見たら目を覆いたくなるような、容赦のなさです。

 

あらすじ(ネタバレ注意!)

主人公は成田凌演じる今ヶ瀬渉と、大倉忠義演じる大伴恭一の2名。
基本的にこの2人に焦点が当てられ、周囲の人間は時間が経つごとにコロコロと変わっていきます。

探偵を仕事にしている今ヶ瀬は、大伴の奥さんに「浮気調査」の依頼を頼まれ、大伴の身辺調査をしていました。それをきっかけに2人は7年ぶりの再会を果たします。久々の再会を果たした2人ですが、大伴は突然、今ヶ瀬から「ずっと好きだった」と告白を受けます。
そのまま、今ヶ瀬に流されるまま二人は共同生活を始めます。そんな中で次第に心を通わせ始める二人。しかし、全てはそう簡単にはうまく進まず…。

 

そんなお話。

 

「窮鼠・・・追い詰められて逃げ場を失った、ねずみ。」

 

そんな言葉の意味を理解しながら見ると、より刺さるものがあると思います。

 

2人の関係性と特徴について

今ヶ瀬と大伴は学生時代の先輩と後輩の関係です。

今ヶ瀬は大学生の時に、初めてあった大伴に一目惚れします。
そこから再会するまでの間、ずっと大伴のことが好きでした。

画像引用元:「窮鼠はチーズの夢を見る」公式Twitter

今ヶ瀬は、成田凌さんが演じているのですが、ミステリアスな雰囲気と、その女々しさが成田凌にしか表現できないものになっています。

minFiache.編集部

女々しさの中にも、流されない芯がしっかりとあり、まさに適役…。

一方、大伴は学生時代から受け身の恋愛ばかりを繰り返しており、女性や雰囲気に流されやすいタイプの人間。
もちろん、男性から恋愛対象で見られた経験も男性を好きになったこともない人間です。

画像引用元:「窮鼠はチーズの夢を見る」公式Twitter

大伴は、大倉忠義さんが演じています。こちらも、先輩として尊敬できるような男らしさがあり、外身は器用にこなしているようだが、隙だらけで流されやすい男性として、その2面性がしっかりと型にはまっており、まさに適役でした。

min的感想

映画を全体と包み込む不安定さ

話全体は、静かに淡々と進んでいきます。しかし、その静けさが2人の関係の不安定さを演出しており、視聴者に切なさや胸を締め付ける感覚を与えています。

映画全体で、BGMが流れるシーンは3回ほど。(ラストシーンもあったかもしれませんが、没頭しすぎて忘れてしまった…。)

①映画中盤2人が屋上で戯れるシーン
→ここで初めてBGMが流れます。見ている側としては、伝わらないと思える今ヶ瀬の気持ちが初めて大伴に伝わったのではないか!と、今までの緊張が解けてふっと肩の荷が下りたような感覚になりました。

②二人が初めて体を重ねるシーン
→ここはもしかしたら、BGMなしだともろAVになってしまうからかもしれない(笑)
しかし、ここでも2人の気持ちが通じる箇所でBGMがつけられており、今までの緊張感が解けました。

③別れを決めた2人が最後に海へ向かうシーン
→ここでは、2人が互いのことを思い別れを決意するシーンです。
このシーンでの今ヶ瀬の「あなたには、家にずかずか上がり込んできて、ことことと煮込み料理をする女性が向いてます」のセリフが、なぜだが忘れられません。

全体を通して、緩急を表すためにBGMが使われており、そのBGMによってより感情移入がしやすくなっていました。

それ以外のシーンは一切音楽が流れずに静寂に包まれており、それによる不安定さと寂しさ、切なさが上手に表されていました。

minFiache.編集部

現在、映画館はコロナの影響で入場制限がされており、人も少なかったのも相まって、より静寂を感じました。息遣い一つでも、会場に響いてしまいそうなほどの静寂。
映画の世界観を壊せないと思い、ドリンクを飲むことさえ躊躇しました(笑)

 

後半につれて変化する大伴の人間像

大伴は学生時代から、恋愛面において流されやすく受け身の恋愛をしてきました。

今ヶ瀬との同棲も、断りづらい大伴の性格からか、いつの間にか今ヶ瀬は大伴の家に住み着くようになります。大伴のは今ヶ瀬と同棲しながら、何名か他の女性と関係を重ねますがそれもすべて、流れに身を任せているだけのように見えます。

今ヶ瀬との別れの時も、「お前が無理っていうなら、無理なんだろう。」と、THE受け身の姿勢をとります。

今ヶ瀬には、大伴のその姿勢がどうしても気に入らないんだと思います。だから、二人はずっとすれ違ってしまうんだと感じました。

しかし、最後は婚約していた女性に自ら別れを告げます。
女性は何度も「別れたくない」と引き留めますが、大伴は「今ヶ瀬を待ちたいんだ」と、しっかりと前を見て答えます。

 

最後には自分で、行動するようになったのです。大伴は流されず、自分で道を選ぶように変わったのです。今ヶ瀬との出会いが、二人での生活が大伴を変えたんだと思います。

自分で道を選ぶようになった、今の大伴ならきっと今ヶ瀬とうまくやっていけるのではないか。そんなことを想像させるラストでした。

 

minFiache.編集部

原作では、二人が結ばれるハッピーエンドのようなので
映画でも、それを彿とさせるようなラストにしたのではないでしょうか。

 

登場する女性たち

画像引用元:「窮鼠はチーズの夢を見る」公式Twitter

この映画には、大伴と関係のある女性が何名か出てきます。どれも「あ~いるいる」となる女性ばかりで、そこが映画のアクセントにもなっており良かったです!

①学生時代から付き合っていて、そのまま結婚した女
②セフレ以上にはなれない女
③学生時代の友達で、たまたま再会した女
(特に、この女、めちゃくちゃムカつきました…。お前には絶対負けないから見たいな顔するマウンティング女いますよね….。)
④職場の気遣いが良くできる後輩の女

それぞれが、大伴と今ヶ瀬の関係を邪魔してきそうな女で、しかもそれぞれ、女性の私としても恋敵にはしたくない女ばかりで「うまいな~」「こわ!!!」と思いました…(笑)

 

人間の不器用さ

画像引用元:「窮鼠はチーズの夢を見る」公式Twitter

一つ一つのシーンを通して、「どうしてこんなにうまくいかないの!!!」ともどかしなってしまいました。ここでこんな風に行動したらいいのか、相手がどんな言葉が欲しいのか分かっているけど、どうしてもそれができない。

男同士だから?世間体?

けどそのもどかしさは、決して男性同士だからではなく、「人と人」だからなんです。

・不器用すぎて、言いたいことが言えない。
・一言だけ、素直に伝えればうまくいくはずなのに、その一言が言い出せない
・相手を信じたいのに、どうしても不安になってしまう。
・相手の幸せを考えてるつもりなのに、それが裏目に出てしまう。

 

結局全部、

強がりで不器用なだけ

 

けど、全部を素直に伝えられる人間なんていません。
何度もすれ違って、ぶつかり合って、生きていくしかないんだ。

そんな考えがずっと頭から離れませんでした。

↓↓以下の動画で、成田さんと大倉さんの対談も見れるのでぜひ見てみてください!

「窮鼠はチーズの夢を見る」のタイトルの意味とは?

コラム冒頭にも少しお話しましたが、「窮鼠はチーズの夢を見る」このタイトルには深い意味があると感じます。※ここからは私的な想像です。

そもそもこの「窮鼠」の意味は「追い詰められて逃げ場を失ったねずみ。」という意味。
この「窮鼠」という言葉を使ったことわざとして「窮鼠猫をかむ」があります。このことわざとタイトルに関わりがあると思われます。

この「窮鼠猫を嚙む」ということわざは「絶体絶命の窮地に追い詰められれば、弱い者(ねずみ)でも強い者(猫)に逆襲することがあるという」たとえ。

そこから転じて考えてみると、

窮鼠(ねずみ)チーズ(好きなもの)の夢を見る」

窮鼠(大伴)チーズ(今ヶ瀬)の夢を見る」

に置き換えて考えることができ、さらに

この窮鼠を追い詰められた者として捉え
夢を見るという行為を「憧れる」「想う」として捉えると

「追い詰められて逃げ場を失った大伴は、今ヶ瀬のこと想う」

今まで受け身の恋愛をしていたばかりの大伴が、今ヶ瀬との関係の中で本当に大切なのは誰かに気づき、しかし気づいた時にはその大切な人をすでに失ってしまっていた。(逃げ場がなくなってしまう。)

追い詰められた大伴は、自ら決断を下し今ヶ瀬のことを一人待ち続ける。(想い続ける)

 

そんな解釈ができるのかなぁと。

minFiache.編集部

映画が終わってから、このタイトルの意味をずっと考えていました。
自分なりの解釈ができた時に、さらに深くこの映画について理解ができたと思いました。

成田凌がかっこよすぎて、眼福。

ここからは、まじめな考察じゃなくminが思い焦がれる「成田凌」について個人的によかったシーンを書き連ねます!!!!!!!!!!

エロい…かわいいすぎる…

画像引用元:「窮鼠はチーズの夢を見る」公式Twitter

原作に濡場が多いとは聞いていたが。開始早々、超スピードで見せつけられました…。
大倉とのキス…。エロすぎるやろ。
ベロでできた…。あああああああああああああああああああああ

なんせ目がいい!!!あの挑戦的な目!!頼むから譲ってください。。。。

他にもそりゃR15だわ。ってシーンばかりでベッド!ベッド!ベッド!ってな感じでした。

 

体のラインが細すぎて、綺麗すぎる…

画像引用元:「窮鼠はチーズの夢を見る」公式Twitter

全裸のシーンとか、半裸のシーンが結構あるんですけど、マジで体のラインが細すぎる。綺麗。綺麗すぎる。彫刻にしたい。永遠に飾らせてくれ。

大伴の家のちょっと高い椅子が、今ヶ瀬の定位置で(見た人は分かるはず)そこに、チョコン!って寂しそうに体育座りしてるんです。もうそれが、、、ド性癖にぶっささって、、、抜けません、、、。

しかも、そこに他の女が座ったとき、大伴はさりげなく、その椅子から女性をどかすんですよ。もうそこもやばい。「あーやっぱ、忘れられないんだな。大切に思ってるんだな。」ってのがバチバチに伝わってきててえてえ(尊い。)

 

誕生日の日のやつ…

画像引用元:「窮鼠はチーズの夢を見る」公式Twitter

もう個人的に一番好きなシーンは、これしかない。誕生日に大伴は今ヶ瀬に、サプライズでワインをあげます

その!シーンの!成田凌が!!あざとすぎて!!!!かわいいにもほどがあるってんだよ!!!!!!!

 

「無くなっちゃうからワイン開けたくない」

 

はぁあああああああ!???? かわいい過ぎるんだが!?
多分どんなにかわいい女があのセリフを言っても成田凌には勝てない
うん。1位。成田凌しか勝たん。

目もやばい。やばい。まん丸な目。あんたは子犬か…。
前世、いや母親すら子犬ですか!!?????

またこれを大伴の前でしか出さないのがね~~~~よいのですよ~~~~~

 

↓↓誕生日のシーンのカットがありました~!


minFiache.編集部

興奮しすぎました…。とりあえずmin史上圧倒的NO1。
尊いすぎて圧倒的感謝です。同じ時代に生んでくれたminママにも感謝。

 

さあ。冷静になってまとめに入りますよ。

まとめ

画像引用元:「窮鼠はチーズの夢を見る」公式Twitter

「窮鼠はチーズの夢を見る」この映画は、男性同士の恋愛故にというより、人間としての生きづらさや不器用さを描いた恋愛映画でした。時代的にも今は同性愛に寛容にはなっていますが、まだまだ偏見はあります。そんな中でもしっかりとリベラルとして描いた本作は、同性愛を受け入れ「人間」をしての恋愛を描くことで、人間誰もが持ち合わせている不器用さを上手に表現していました。成田凌目当てで行きましたが、自分のことを容易に見透かされているような気持ちになった映画でした。

では次のコラムもお楽しみに!

minFiache.編集部

Fiache.編集部で、記事の編集や企画を担当。趣味は、映画、音楽、旅行。
イエベで、淡い色やテラコッタカラーや黄色・オレンジなどの色が好きです。いつかキャンピングカーで長旅に出るのが夢。

 

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