エストロゲンの3つの分類
され、ここからはもう少しエストロゲンについて詳しくみていきます。すこし、難しいかもしれませんが頑張ってください。
天然のエストロゲンは3つの種類があります。
全てコレステロールを原料としており、別のホルモンから酵素の作用によって女性ホルモンに変換されます。
①エストロン
閉経を迎えるまでは、卵巣、副腎皮質、肝臓、脂肪組織で作られ、エストラジオールに変換されて機能しています。
エストロン(E1)の数値が高いと、子宮がんや乳がんのリスクが高まるといわれています。閉経後は、卵巣機能低下によりその変換が行われなくなるため、主として脂肪組織で生成されるエストロンがエストロゲンの主役となります。
②エストラジオール
一般的に認識されているエストロゲンが、このエストラジオール(E2)でしょう。エストロゲンとして最も強い作用があり、主に卵巣でたくさんつくられる、閉経を迎えるまでの主要なエストロゲンです。
③エストリオール
エストリオール(E3)はエストロンやエストラジオールから変換されて肝臓で生成されます。他の2種と比較して刺激が少なく、子宮がんや乳がんを誘発しないエストロゲンとされています。
エストロゲンが作用する仕組み
脳にある視床下部からの命令で卵巣を刺激するホルモンが放出されると、脳の下垂体がホルモンを作るよう刺激を送ります。刺激を受けた卵巣、胎盤、副腎皮質はエストロゲンを生成し、分泌します。
エストロゲンの作用を受ける受容体は、子宮や卵巣はもちろん、脳をはじめ、心臓や肺、乳腺、筋肉・骨や血管など身体の中のあらゆる場所に存在しています。そのためエストロゲンは全身に作用を及ぼすのです。
エストロゲンを低下させる原因
①年齢:特に更年期
40歳前後を目安にエストロゲン分泌は減少していきます。
着床するため子宮内膜を厚くしていたエストロゲンは、卵巣内に存在する卵胞の成長に伴って分泌されるので、卵胞の数が減少するとエストロゲンも分泌されにくくなります。
卵巣の機能は低下していても、脳からはエストロゲンを分泌するよう刺激がくるので、混乱が生じて自律神経がバランスを崩してしまいます。
その結果として、頭痛、動悸、のぼせやほてりなどのホットフラッシュ、イライラやうつ症状、物忘れ、排尿困難などの更年期障がいの症状が現れます。
更年期以降の老年期でも、エストロゲン不足によって骨粗しょう症や動脈硬化、アルツハイマー病のリスクが高くなります。
②睡眠不足
睡眠中に分泌される成長ホルモンは女性ホルモンの分泌を促進するため、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
また、睡眠不足になると、エストロゲンを分泌する卵巣の機能が低下してしまいますのでご注意ください。
③身体の冷え
環境や体質、飲食などで身体が冷えると、自律神経に悪影響を及ぼし、結果としてホルモンのバランスが崩れてしまいます。
身体の冷えは卵巣の機能も低下させてしまうため、女性は万全の冷え対策が必要でしょう。
エストロゲンに副作用はある?
ホルモン剤やサプリメントなどでエストロゲンを過剰に摂取することで、乳房の張りや不正出血、下腹部痛などの副作用が出現する可能性はあります。
これらは身体が慣れてくれば自然に軽快したり、量を減らすことでなくなったりします。
エストロゲンのみを長期間投与し続けると、子宮内膜が増殖して子宮体がんのリスクが高くなるといわれています。
3カ月以内であれば子宮への悪影響はないとのことですが、プロゲステロンを併用した場合には子宮がん発生のリスクが非常に低くなるため、一般的には、子宮を有する方ではエストロゲンとプロゲステロンの併用が行われています。
エストロゲンは女性にとって必要不可欠なホルモン
エストロゲンは女性の身体と心に大きく関与している重要なホルモンです。
エストロゲンだけを増やそうとするのではなく、ホルモンバランスを整え、食事や睡眠などの生活習慣の改善をしてみることも大切です。いつまでも女性らしくいるためにも、日頃からエストロゲンを意識して、セルフケアを心がけてみませんか?