10位 ミッドサマー
アメリカの配給会社A24と、「へレディタリー/継承」のアリ・アスター監督がタッグを組んだ『フェスティバル・スリラー』と題されるミッドサマー。「明るい場所が怖い」というホラー映画の常識を覆すような、新感覚のホラー映画となっています。
大学生のグループが研究のためにスウェーデンの「夏至祭」に参加することをきっかけに、この映画の恐怖が始まります。その夏至祭は楽しいお祭りではなく、スウェーデンの歴史古くから続く狂気あふれる儀式だったのです。そこで主人公たちは様々な恐怖に触れていきます。彼らの運命は…。そんな映画です。
公開当初、話題になっていた映画だったので一人で鑑賞しました。まさかこんなにも『人が怖くなる』映画だったとは…。一人で見たことを後悔しました。
さらに、ラストシーンの捉え方は「バッドエンド」か「グッドエンド」人によって両極端に分かれるようです。私は救いようのないエンドのように思えました。
掴みようのない恐怖が常にそこに存在し、その「何か」に次第と飲み込まれていく主人公。その恐怖を見たい方は、覚悟してご覧ください…。
9位 the call(Netflix 限定)
もともとは韓国で上映される予定だったthe callですが、新型ウイルスの影響でNetflix限定での配信となりました。1本の電話で過去と未来が繋がり、それぞれの時間での行動が徐々に交差していくタイムパラドックス×スリラー映画です。
母の看病のため田舎に帰ってきた主人公は、携帯電話を失くしてしまったことをきっかけに家の固定電話で連絡を取るようになります。そこに、聞き覚えのない声で1本の電話がはいります。次第に会話を進めていくうちに、電話の相手は20年間の同じ場所(この家)から電話をかけていることに気づきます。そこから互いのために、それぞれの時間軸で様々な行動を起こします。しかし、現在と過去それぞれの出来事が及ぼす影響によって主人公の人生の歯車は徐々に狂っていき…そんな映画です。
映画のラスト、「良かった…」とホッと胸をなでおろしたのは束の間、最悪の出来事が起き映画は幕を閉じます。主人公の未来を考えると救いようがなく、絶望しました。
タイムパラドックス×スリラーを軸に話が進みます。希望と絶望を交互に織ませており、見ていてハラハラが止まらない作品です。タイムパラドックス系が好きな人にはぜひ見ていただきたい鬱映画です。
8位 パラサイト 半地下の家族
アカデミー賞4部門を受賞した、世界中で大注目の韓国映画「パラサイト 半地下の家族」。半地下に住む貧乏な家族が、坂の上に住むセレブな家族に「寄生」していくブラックコメディ×サスペンス映画です。
主人公は「半地下」と言われる一般的な住宅よりも家賃が安い、半分地下にある物件に住んでいるいわゆる貧乏な家族です。半地下に住む家族の兄が、坂の上に住むセレブな家族の娘の家庭教師として雇われたことをきっかけに、半地下の家族はセレブな家族を乗っ取る計画を始めます。彼らは徐々にセレブな家族に寄生していき、やがて両家族に訪れる最悪な結末とは…。そんな映画です。
映画の序盤は、「半地下」で住む家族のことをコメディ要素たっぷりに描きます。この序盤の演出で、この家族を憎めなくなってしまいました…。どこか応援したくなるような、健気さを感じます。しかし、映画は後半に差し掛かるにサスペンス要素が強くなってきます。先が見えないハラハラドキドキ、さらにスピーディーに繰り広げられる事件の数々から目が離せません。
この映画は「格差社会」をテーマに作られています。彼らがこのような結末を迎えてしまったのは「格差」が原因なのでしょうか。もしそうであるのなら、彼らは他に「半地下」から抜け出す方法が残されていたのでしょうか。
韓国映画の名を世界に轟かせるきっかけとなったこの映画。韓国映画は実はこのような陰湿な空気の映画を描くのがとっても上手なんです。「胸糞映画は好きだけど、韓国映画は見たことない」という方にはおすすめの映画です。
7位 もう終わりにしよう(Netflix 限定)
Netflix限定で公開された「もう終わりにしよう」。公開当初は、「胸糞映画」「居心地が悪すぎる…」「意味がわからない」と鬱映画ファンの中で話題になりました。恋人との将来に悩む女性が彼氏の家で不可解な出来事に巻き込まれていき、何が現実か分からなくなっていく、ホラーともミステリーともいえる映画です。
冒頭、車で吹雪の道をひたすら走る場面から物語は始まります。主人公である彼女は彼氏であるジェイクの実家に向かっています。彼氏の家に着くと温かく出迎えてくれる彼の父と母。しかし徐々の家の様子がおかしくなっていきます。降りても降りても終わらない階段、場面ごとに老いたり、若返ったりする母、コロコロと変わる主人公である彼女の職業。彼女が主人公の映画のはずなのに、そもそも彼女には名前がありません。何が現実なのか、どこまでが現実だったのか。この映画の結末はどこへ向かっているのか。そんな映画です。
この映画を見た当初はなにがなんだか分からず、ただただ呆気に取られました。色々な方の考察を読み、映画の内容を理解した時には3日くらい落ち込んで抜け出せませんでした…(笑)
チャーリーカウフマンの映画が好きな人、映画に没頭したい人、「真の孤独とは何なのか。生きるとは何なのか。」そんなテーマをじっくりを考えたい人にはおすすめの映画です。最後、映画のタイトルを理解した時にはひどく落ち込む可能性があるので、心に余裕がある時に見てくださいね。
6位 母なる証明
この映画「母なる証明」はパラサイトの監督であるポン・ジュノの作品です。殺人容疑で逮捕された息子を、「自分の息子が殺人なんてするはずがない。」と信じる母は無実を証明しようと奔走するミステリー映画です。
物語の軸となるのは、貧しいながらも母と息子2人で幸せに暮らしている親子です。息子には知的障害がありました。(※物語の鍵となっています。)ある日、息子は殺人の容疑で逮捕されてしまいます。息子の無実を信じる母は弁護士や警察に潔白を証明しますが、彼らには頼れない。と独自で真相を暴こうと奔走します。真相を次々と知っていく母に訪れる、本当の「真相」とは一体何なのか。そんな映画です。
ラストはまさかの結末で、母親が「報われない真相」にたどり着いてしまった時、目を覆いたくなりました。「母親」という生き物の子供への行き過ぎた思いは、いつしか化け物のような狂気を帯びることがある。そんなことを思い知らされた映画でした。
物語の最初から最後まで、見ていること感じていることのすべてを裏切られます。そんな裏切りをさらに上回る本当の真相。これから見る人は覚悟してご覧ください。
まとめ
今回は鬱映画大好きなminが、おすすめの鬱映画6位~10位をご紹介しました。次回は1位~5位をご紹介いたします!
鬱映画って、なぜか急に見たくなってしまう依存性がありますよね。1人で何か考えたい日、映画の世界観にどっぷりと浸かりたい日にぜひ見てみてはいかがでしょうか?
ただし、数日間落ち込む可能性があるので注意してくださいね!
こんにちは。Fiache.編集部のminです。
minの映画だべり!今回は、閲覧注意な鬱映画6位~10位をお送り致します!年間100本以上の映画を見るminが選ぶ、特に忘れられない鬱映画をランキング形式で紹介。落ち込んでいる時にみると余計に病む可能性があるので、精神が安定している時にご覧ください…。