「くれなずめ」について
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成田凌さん、高良健吾さんらが出演している映画「くれなずめ」。4月公開予定でしたが、新型ウイルスの影響で5月12日公開となりました。
minの大好きな俳優・成田凌と東京テアトルさんの配給ということで、首をなが~~~くして待っていたこの映画!
東京テアトルといえば、今年大ヒットした「花束みたいな恋をした」や「あのこは貴族」などの配給をしている会社で、minの癖にぶっささりの映画ばかり配給している会社なんです…!
さらに成田凌さんは、「窮鼠はチーズの夢を見る」や「カツベン!」朝ドラ「おちょやん」などに出演してる大人気俳優…!minは「愛がなんだ」をみて大ファンになりました。
近くの映画館がやっと営業再開したと同時に公開された「くれなずめ」。
もちろん、初日に見に行きましたよ~!
新鮮な気持ちで見に行きたかったので「赤ふんで踊る」ということだけしか知らずに、前情報ほとんどなしで見に行ったのですが…
リアルに4回泣いた!
ボロボロ涙出てきて止まらん!とおもったら、急に大爆笑。と思ったら涙止まらん。
と、もう感情がジェットコースターでした…。
男の友情ってなんであんなに熱くて泣けるんでしょうか。
しかもウルフルズがいい味だしてるんですよ。より男くさくなるというか。
帰りの電車で、ウルフルズを耳につっこみ、学生時代自体の思い出を振り返りながらセンチメンタルな気持ちになりました。
「くれなずめ」のあらすじ
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学生時代の友人の結婚式で余興をやるため、久しぶりに集まった「6人」。
文化祭で披露した「赤フン」ダンスをやることになりますが、赤ふんどし一丁で踊ったダンスは大スベリ…。
「もう終わった…。やらなければよかった。」そんな沈んだ気持ちのまま、2次会までは3時間あります。そんな中、彼らは学生時代の思い出にふけります。
思い出すのはくだらない思い出ばかり。
学生自体から全く変わらない姿の吉尾に、5人はなんの違和感も覚えません。
5人は抜け出せない悲しみを、やがて克服することができるのか…。
そんなお話です。
min的感想(ネタバレ注意)
前情報一切なしで行ったが故に、カラオケのシーンでの「俺ってしん・・・」の場面で衝撃を受けました。
「あ、これ成田凌死んでるの?死んでるのに、みんな違和感なしで楽しんでるの?」
と少し混乱しましたが、見進めていくにつれて「5人が死を受け入れられていない」ということがジワジワと伝わってきて胸が痛くなりました。
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5人がそれぞれの思い出にふけるシーンでは、どれほど吉尾が愛されていたのかが分かります。
どれもくだらない思い出だけど、彼らにとっては大切な日々なんですね。
人に話しても何にも面白くないけど、日常のなんでもない切り取りの一つが大切な思い出ってこと結構ありませんか。自分のくだらない思い出を映画の後に振り返って、おセンチな気持ちになりました。
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明石が電話に出られなかったことを後悔するシーン。
吉尾の死因は明石が電話に出なかったからではないのに「あの時の電話、絶対出てやるから」と嘆く明石に涙が止まりませんでした。
なんでもない1本の電話が、明石を苦しめている。
「もっとこうしていれば」それが服についた絵具のようにこびりつき、5人は吉尾の死をずっと受け入れられないのでしょう。
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特に「引きずることから逃げるな」このセリフにはなんだか救われたような気がしました。
誰しも後悔や忘れられない過去ってあると思うんです。多くの人はそれを「忘れよう」と努力する。けど、それが正解ではないのでしょう。「忘れ方」は人それぞれあっていいんだと思います。
ウルフルズも「それが答えだ!」って言ってるけど、どれが答えかは言ってないです。
だから「忘れるための答えは一つじゃない」いくら引きずってもいいじゃないか。とことん引きずってやろうじゃないか。
「ハッキリさせようとすんなよ!」このセリフも個人的に胸に刺さりました。
別になにもかもをハッキリさせる必要なんてないのかも知れません。
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終盤の畑のシーン。結構賛否両論あるみたいですね。
私にとってあのシーンは、ヘラヘラしながらも自分たちなりに「吉尾」を昇華させようとする5人の気持ちが伝わってきて、泣きながら笑ってしまう、不思議なシーンでした。感情がごちゃ混ぜです。
忘れたくないけど、忘れたい。それなら自分たちなりの方法で忘れてやる。そんな少し投げやりな5人の気持ちがジワジワと伝わってきました。
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映画のタイトルでもある「くれなずめ」。これは造語です。
「日が沈みそうで沈まない」情景を表す「くれなずむ」を命令系にした言葉です。
「早くくれなずめよ!」と欽一は言います。
くれなずめていないのは、自分たちなのに。
終始吉尾のことを忘れられない自分たちを棚に上げているから、余計見ていて辛くなるんです。
自分たちが忘れたくないだけなのに、忘れられないのは吉尾のせいにしてしまう。
彼らの精一杯の「強がり」が、逆に「弱く」見えました。
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最後に6人で会ったあの日を書き換えようとするシーンも涙なしには見られませんでした。
一つ一つ一生懸命、あの日を間違えないように繰り返していきます。
あの日とは違って、今度はしっかり吉尾の背中を見送ります。誰一人、吉尾を引き留めることなく。あの日を無事に書き換えることができたのでしょう。
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エンドロール。
くれなずんでいる空が、ようやく暮れました。
5人は無事に吉尾を昇華することができたんだと思います。
大切な人が急に亡くなってしまった時の気持ちは、どうにもならない程辛いもの。
でも無理に忘れなくてもいいんですね。こうゆう「死」への向き合い方も一つの道としてありなんだ、と分からせてくれた内容でした。
最後に
大人になった大の男たちが、かつての友人の死を忘れられず、
でもその「死」にようやく向き合い、自分たちらしくヘラヘラしながらも「死」を昇華させて思い出へと書き換える「映画 くれなずめ」
男たちならではの友情の熱さがあり、男だからこそ強がってしまう面がある。
そんな歯がゆさに涙が止まらず、でも男ならではの「ノリ」にふと笑みがあふれる。そんな作品です。コメディ色のある演出だからこそ、残された彼ら5人の悲しみがより際立っていました。
感情がジェットコースターみたいになる、不思議な映画でした。
こんにちは。Fiache.編集部のminです。
minの映画だべり第12回は「くれなずめ」についてです。
映画初心者が、感想や意見など好き勝手お話していくので、ゆる~くご覧ください!映画のあらすじ等にも触れていくので、ネタバレ注意です。