フェムテック以外でのPopit
Popitとしてはフェムテックもすごく使っていただける領域なんですけど、慢性疾患とかで毎日お薬を飲まないといけない方は日本にもたくさんいらっしゃるので、そういった方へのお薬管理サポートとしてPopitとはどんどん使っていただけたらなという感じはします。うちの会社にもADHDという発達障害を持っている方がいて、ついつい薬を飲み忘れることがあるらしいんですね。
私の父が、血圧の薬を毎日飲んでいるんです。父に、私も毎日薬を飲むときにPopitというのを使い始めて、というのを話したら男性だけど「良さそうだね」という感想を持っていました。そういった毎日薬を飲まなきゃいけない方は老若男女いらっしゃると思うので、すごくいいなと思って使わせていただいていました。
ありがとうございます。
Popitのデバイスを使って管理すると記録が自動でできるので素晴らしいですけど、アプリだけでリマインダーとして使っていただくのも全然OKです。デバイスはお金がかかるという方もいらっしゃると思うんですけど、そういう場合はアプリだけでも使うと、リマインダーも何もないよりは飲み忘れ防止につながると思います。
実際私たちもデバイスもアプリも使わせていただいて、私は元々飲み忘れが少ないほうなんですけど、時たまポンと飲むのを忘れちゃったりするんです。そういう時に「今日飲んだっけ?」とかもあったりして。そういう時に自分の服薬の記録があると、あ、今日飲んでるじゃん、飲んでないじゃん、がわかって、すごくよかったです。
そうですね、お薬って飲み始めは飲まなきゃ飲まなきゃと緊張感があるけど、ずっと飲んでルーティーンの1つになっちゃうと、あれ今日飲んだっけ?ってなりますよね。
そうなんです。夕飯を食べたのは覚えてるけど、その後の薬は飲んだっけ?ってことがすごくあって、忘れてるから二重に飲んじゃうこともありました。Popitを使い始めてからそういうことがなくなったので、安心して日々の服薬ができるようになりました。
嬉しいです。
私は、本当によく薬を飲み忘れて、薬剤師さんにめちゃくちゃ怒られてたんです。
そうなんですか!
多いときは2日に1回とか飲み忘れる時期があったんですけど、Popitを使わせていただいて、忘れる回数がまず減りました。夜は3種類くらい飲んでるんですけど、とぼけた話「今どれ飲んだ?」ってなっても、ピロリンってスマホにデータが飛んでくれるから、あ、今2個目の薬だね、じゃああと1個飲もうとか、そういう確認にも使っています。
なるほど。素晴らしいです。
それこそ私もADHDがあるので、お薬、飲み忘れちゃいますよね。だから(Popitは)本当にありがたいです。
そうですよね、本当、ちょっとお薬飲み忘れたことで、お薬によっては1日台無しとか、影響出ちゃいますもんね。
みなさんにそうやって使っていただけて、すごく嬉しいです。
シニア層の薬の飲み忘れ事情
若い方には、こんな感じでアプリと繋げるのね、とすぐ理解していただけるんですが、製薬会社さんからよく質問でくるのは、やはり生死を問うような、がんだとか、そういった大事なお薬の飲み忘れを防ぎたいのですが、シニアの方はPopitが使えるでしょうか、というものです。
先程、高血圧症のお父様の感想を聞いてすごく嬉しかったです。
高血圧症の方に使っていただいたパイロットもあるんです。その時は40代〜80代前半くらいのイギリスの方に使っていただいたんですけれど、年齢が上の方にも長く使っていただけたので「大丈夫です」とお答えしています。日本ではデジタルできる方と苦手な方が分かれているっていうのが難しいですね。
年齢が高い方のほうが、毎日飲むお薬が多いと思うんですよね。
10種類飲んでるとかいう方もいらっしゃいますね。
私の両親もそうなんですけど、年齢が高い方には、デジタルを使いこなせないという方も多くて、何をするにも結局アナログになっちゃうみたいなのもありますね。使いたい気持ち、飲み忘れたくないっていう気持ちは強いみたいなので、もう少しデジタルとの境目、ハードルが低くなるといいなとは思いますけど、こればっかりは日本人の国民性もあるのかもしれないです。
アプリだけでも使ってみて欲しいんですけどね。
製薬会社さんのほうでもシニアの方に集中するのではなく、若い人、仕事してる人とかは仕事してるので忘れちゃう、紙を使わないというのもあるので、そっちに目を向けて、若い人の飲み忘れ防止を、と私は思ってます。
80歳以上は(アプリの導入に)何らかの干渉が必要なので。あと、シニアでの(お薬の)管理の仕方ができていて、カレンダーにポケットがついてるものとか、10錠とか飲んでる人は薬剤師さんの方でまとめてる人もいるらしいので。
編集部注:薬局では、分包(ぶんぽう)といって、複数のお薬を1回分ごとに1袋にまとめることができます。飲んでいるお薬の種類が多い患者さんには、お医者さんから薬剤師さんに分包の指示を出すことも。
メンタルヘルスの情報はどこから入手してる?
個人的には、日本って精神的に病みやすいとされるので、そういった方が使っていけたらいいのかなと思っています。
コロナ禍も経て、メンタルヘルスへの意識も高まりましたね。
日本では、メンタルヘルスの広がりやワーキングはどうですか。どうやって助け合っているんでしょう。
精神科にかかる人が増えてるっていうのは、肌感で感じているというか。ディスカッションなどで知ってるというよりは、テレビやニュースで、自殺者が増えている、などを知ることが多いような気がします。病みやすい、苦しい人が増えてるよってところで、自分や相手がどんな風に苦しいかをお互い知ろうという空気は出てきていると思いますが、まだまだだと思います。どうしても日本の社会的な体質のせいというか、「受動的に」って感じですね。知ってきてはいるから対応していこう、徐々に、という。
日本ってそういう精神的なものはネガティブに取られやすいっていうのは昔からありますよね。
私が欧州のソーシャルメディアとかをみている範囲では、メンタルヘルスを発信をしている人や、自分を笑ってもらって他の人が「あるある」みたいな。TikTok でそういったコンテンツや、本当に辛い時も自分のモノローグを発信したりして、ディスカッションしたり、コミュニティが出来上がっていってる感じがしますね。
日本では、コミュニティというよりは、インフルエンサー、Twitterで発信してる人がいて、って感じですね。
そこも受動的で、1人の人がいて、そこから発信されてるものを拾うんです。1人言ってる人がいて、それに対して、同じ症状があって共感する人がいる、元気な人はそういう人がいるって知る、ってイメージですかね。
そこでコミュニティができて一緒に頑張っていこうって感じは、日本では少ないと思います。
その人が出した本がベストセラーになったりはするんですけど、繋がりはないですよね。
そこは文化的な違いが見えますね。
自分の思いとかを伏せるというか、言わないというか。発信したら反応するとは思うんですけど、読んだ人も、共感はするけどそこ止まりで、繋がらないというのは日本らしいですね。
そういったADHDや精神系のお薬を飲んでる人にPopitを広めるためには、どういった投げかけをした方がいいんでしょう。
自発的に発信をしている人に発信してもらうのが強いと思います。
ユーチューバーやSNS、それこそ TikTok で紹介してくれるのが一気にバッて広がる、「そうなんだ、やってみよう!」という広がりは一番強いと思います。
フェムテックフェスに出るのはもちろんいい取り組みなんですが、そこに足を運ぶのはもともと関心が高い人なので、何となく知ってて、使ってみるかみないか、という人には広がらないと思うので。インフルエンサーが広がる入り口になると思いますね。
情報集めをする時は、私が日本にいる頃は雑誌がメインでしたけど、最近はSNSや、メディアがサイトで発信している情報をみて、って感じですか?
私はSNSですかね。あとは、自分が気になる体調のことを調べて、記事を見つけて、って感じです。
私がうつ病になった時は、外に行けないので、ずっと家でパソコンやスマホを見てたんです。ずっとインターネットに接してるって感じで、情報はインターネットかテレビでした。
自分も、鬱だった時は、テレビは得意じゃなかったので、自分の欲しい情報だけ取れるインターネットしか見れなかったです。今も、全然外出れるけど手っ取り早いからインターネットで、というのが多い気がします。
じゃあ、インフルエンサーの力というのは大きいですね。
日本のインフルエンサーのことは、Popitに入ってから日本の事情とかを勉強し始めました。ネットでも日本のメディアを読んだり、日本人をフォローしてみたり、今までしてなかったので新鮮です。ユーチューバーの方もチェックしてみますね。
一度、インスタグラムでインフルエンサーを探してPopitのことを投稿してもらったことはあるんですけど、インフルエンサー探しも大変ですね。フォロワー数や、どういったコンテンツを出してるのかも見ないといけない。その時は、1人は、自身もお子さんも発達障害をお持ちの方で、Popitいいねと言ってくださって、投稿してくださいました。もう1人は乳がんサバイバーの方で、乳がん治療中にPopitを試してもらいました。
発達障害の学習支援施設も増えているので、そこにアプローチをかけるのもいいと思います。
そこは子供達ですか。
そうですね、そこの保護者の方にも知ってもらうといいかもしれません。
性教育や発達障害を発信する方が増えてきています。そういった服薬に関連するユーチューバーさんに声をかけてみるのもいいのかなと思いました。
YouTubeは日本でもフォローされているメディアですよね。
息子もYouTubeを見ています。もうテレビは見なくなって、YouTubeショートをみて、いろんなことをユーチューバーから学んでいますね。
サッカーが好きなので、サッカー系のユーチューバーでトリックをどうやるかとか。
今後、スクリーンタイムで「毎日見過ぎよ!」って、今まではテレビでしたけど(笑)
時代の移り変わりをすごく感じます!
次のページでは、Popitの日本での広がりや、今後の展開について聞いちゃいます!