実話を基にした映画8選!事実は小説よりも奇なり。

「事実は小説よりも奇なり」とはイギリスの詩人バイロンの作品から生まれたことわざですが、この記事ではそんな「奇」な実話をもとにした映画をご紹介します。
奇妙、奇怪、奇跡、奇抜……な世界を、ぜひご堪能ください。

事実を基にした映画8選

チリ33人 希望の軌跡


ジャンル ドラマ
監督 パトリシア・リゲン

あらすじ
鉱山で崩落事故が起き、作業員33人が地下700メートルに閉じ込められた。水と食料は3日分だけ。
地上では望み薄と思われながらも掘削作業が続けられる。

救出作業が続く中、崩落から16日経ったある日、なんと33人全員が地下で生存していると判明。
そこから大規模な救出活動が始まる。

ポイント
2010年に起きた「コピアポ鉱山落盤事故」をもとに製作されたのが「チリ33人 希望の軌跡」です。
この落盤事故では、チリのアタカマ州コピアポ付近にあるサンホセ鉱山で33人の作業員が閉じ込められました。
絶望的な状況下でも諦めず、協力し合い冷静に共同生活を送る33人。
希望に満ちた救出劇は観てる側の心も明るくしてくれるようです。

戦場のピアニスト


ジャンル 戦争
監督 ロマン・ポランスキー

あらすじ
1939年9月。
ナチスドイツはポーランド国内のドイツ人保護を名目としたポーランド侵攻を開始。
首都ワルシャワではユダヤ人の迫害が過激化していく。
「戦場のピアニスト」はそんな戦禍を生き抜いたユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンを描く。

ポイント
この映画はポーランドのピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験記がもとになっています。
第二次世界大戦時、ナチスドイツによって行われたホロコースト。人種差別の極致とも言うべき、計画的大量虐殺計画です。
ホロコーストを描く映画の大半がそうであるように、「戦場のピアニスト」もいたましく悲しい映画です。

体験記をもとにしているため、映画の真実味はさることながら、他国へ侵略するような独裁国家の内部にも一筋の希望があることを教えてくれます。

スポットライト 世紀のスクープ


ジャンル 伝記
監督 トム・マッカーシー

あらすじ
神父による児童への性的虐待事件を暴き出した「ボストン・グローブ紙」の報道。
圧倒的権力によって隠されていたこの事件は、なぜ大々的に報道されることとなったのか。
そこには使命感を持ち、真実を追い求めた記者たちの姿があった。

ポイント
マサチューセッツ州のカトリック教会による児童虐待の隠蔽という、キリスト教・カトリックの許されざる世紀のスキャンダルを、使命感をもって暴いた新聞社の話です。

映画公式サイトにもあるように、「ボストン・グローブ紙」の定期購読者の半数以上はカトリック信徒。
心の拠り所でもある宗教の不正を暴くのは容易な決断ではありません。

「スポットライト 世紀のスクープ」は、映画的なセンセーショナルさ、ドラマチックさを控え、宗教家による虐待事件と隠蔽を真摯に綴り、数々の映画賞を受賞しました。
フェイクニュースが取りざたされる今、観ておきたい映画かもしれません。

殿、利息でござる!


ジャンル 時代劇
監督 中村義洋

あらすじ
1766年。仙台藩の宿場町、吉岡宿は財政難で夜逃げがあとをたたない。
というのも、助成金は降りないのに、金のかかる「伝馬役(てんまやく/ 交通のための人馬の常備)」が課せられていたからだ。

この窮状をどうにかするべく、酒屋の穀田屋十三郎は、ある奇策に打って出る。
それは、藩に金を貸し、その利息を伝馬役に充てるというもの。

果たして金は集まるのか、そもそもただの百姓がお上に金を貸すことができるのか?

ポイント
「殿、利息でござる!」は町人のために力を尽くした、素晴らしい篤志家たちのお話です。
江戸時代に自分達を治める藩に金を貸し付けようなんて驚きですが、実話なんです。
歴史家・磯田道史氏による「穀田屋十三郎」が原作となっており、穀田屋十三郎の酒屋は、今も吉岡で「酒の穀田屋」として営業されています。

ホワイト・ドッグ


ジャンル サスペンス
監督 サミュエル・フラー

あらすじ
ある一人の女性が拾った白いシェパード犬。
おとなしくて人懐っこい性格だったが、実は白人により黒人を襲うよう調教された「ホワイトドッグ」だった。
殺人犬として育てられていたシェパード犬を更生させるため、調教師のもとを訪ねる女性。
「一度吹き込まれた教えを取り除くことはできない。安楽死させるしかない」と白人の調教師は言う。
そんな中、同じセンターの黒人の調教師が犬の調教を買って出るのだった---。

ポイント
日本ではビデオスルーとなった「ホワイト・ドッグ」は、小説家の伝記的小説にもとづき製作された映画です。
作者が拾ったシェパードは、映画と同様に黒人にのみ著しい凶暴性を発露させました。
舞台となっている時代は、黒人の差別が依然として残り続けていた時代であり、そのような犬が存在していてもおかしくはありませんでした。

映画の中ではマイナーな「ホワイト・ドッグ」ですが、観た人の心に訴えかけるものを秘めた隠れた名作です。
動物虐待(人間と暮らす犬に人間を襲うことを教える等)要素があるため、視聴にあたっては十分ご注意くださいね。

エミリー・ローズ


ジャンル ホラー、法廷
監督 スコット・デリクソン

あらすじ
自身に起こる奇妙な現象に悩む女性、エミリーローズ。
時が経つにつれ幻覚、幻聴と症状は悪化。医学的治療も虚しく、ついには発狂してしまう。
彼女は自身が”悪魔憑き”だと確信しムーア神父にエクソシズムを依頼するのだが、エクソシズムは失敗。
彼女はそのまま命を落としてしまう。

彼女の死は、医学的治療をやめさせた神父によってもたらされたのか、はたまた本当に悪魔によるものだったのか。
エミリーローズの死をめぐる裁判が、今始まる。

ポイント
1976年。
エクソシズムを1年半にわたって受け続けた女性アンネリーゼ・ミシェルが亡くなりました。
死因は餓死とされ、エクソシズムを行った司祭たちは州当局により、過失致死傷罪で起訴されました。

現実に起きたこの事件をもとにして製作された「エミリー・ローズ」では、神父たちの弁護士を中心に物語が描かれます。
純粋なホラーというより、ホラー要素のある法廷もの、と表現した方が正確かもしれません。
裁判のシーンが多いので、ホラー入門にもおすすめです。

ターミナル


ジャンル コメディ、ドラマ
監督 スティーヴン・スピルバーグ

あらすじ
アメリカ、ジョン・F・ケネディ国際空港の国際線ロビー。クラコウジア人のビクターはアメリカに入国しようとしていた。しかし、入国する直前、クーデターにより母国の政府が消滅してしまう。
政府の消滅により入国ビザ取り消されてしまったビクターは、アメリカに入国することも、母国クラコウジアに引き返すこともできなくなってしまう。
そこからビクターの国際線ロビーで寝起きする奇妙な生活が始まるのだが・・・?

ポイント
「ターミナル」の主人公ビクターのモデルは、イラン人のマーハン・カリミ・ナセリとされています。
彼はフランスのシャルル・ド・ゴール空港でなんと18年もの歳月を過ごし、その最中に日記をもとにした自伝「ターミナルマン」を出版。その1年前に映画化権を購入したのが、スティーヴン・スピルバーグのドリームワークス制作会社でした。

最終的にナセリの自伝は使用されず、「ターミナル」の脚本のほとんどがフィクションではありますが、「事実は小説(fiction)より奇なり」ということで紹介させていただきました。
肩の力を抜いて観れる面白い映画ですよ。

史上最大の作戦


ジャンル 戦争
監督 ケン・アナキン、ベルンハルト・ヴィッキ、アンドリュー・マートン

あらすじ
ナチスドイツに占領されたフランス・ノルマンディー地方を奪い返す!
第二次世界大戦中に決行された、イギリス・アメリカ・カナダを中心とする連合軍による北西ヨーロッパへの侵攻作戦、その名も「ノルマンディー上陸作戦」。
「史上最大の作戦」はその作戦決行の一日を、勇ましく描く。

ポイント
各国の陸海空合同によるノルマンディー上陸作戦は、当日だけでも15万人の兵士が上陸した一大作戦となりました。

現在のフランスにあるサント=メール=エグリーズ村の教会をご存じでしょうか。
この教会には、とある有名な人形があるのですが、その人形がどうしてその教会に飾られるようになったのか、その理由もこの映画で描かれています。

また映画を観ていると、ふと英国軍が気になるかもしれません。
というのも、上陸後の英国軍の中に、バグパイプという楽器を演奏する人がいるのです。
バグパイプは両手で演奏する楽器なので、演奏中に武器を持つことはできません。
ではなぜ、バグパイプを演奏しているのでしょうか。

実は、行軍の先頭でバグパイプを演奏するのはイギリス軍の伝統なんです。
史実のノルマンディー上陸作戦ではビル・ミリンという兵士がバグパイプを演奏していました。
しかもミリンは先頭を無防備に歩いていたにもかかわらず無事生還しました。

戦場で演奏しながら行軍するのは、並々ならぬ覚悟と勇気がなければ不可能でしょう。

まとめ

意外な世界はありましたでしょうか?
気になる作品がありましたら、ぜひ映画をご覧になってみてくださいね。

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